狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

心当たり


『…っ!は、はやく戻らなきゃ…っ!!』


アオイが姿を見せなければ、それが例え数日間に及んだとしてもキュリオは平気で食事をとらずに待ち続けるだろう。


『心当たり、ないの?』


『こころ、当たり…?』


(…昨日特別なことって何か…お父様に突き放されて悲しくて……アレスに相談を…)

(…アレス?)


何か思い出したかけたアオイだが…


「…?この子が何か言っているのかな?」


見つめ合うダルドと子猫の様子にキュリオが微笑んでいる。


「…うん。…なんでキュリオは食事しないのかって心配してる」


機転を利かせたダルドだが…


「ふふっ本当にアオイそっくりな優しい子だね」


『キュリオに正直に話したら』


キュリオがいくら子猫を可愛がっていたとしても、その心は完全にアオイへと向けられているため優しい言葉も今の彼の心には響かない。
説得するよりもアオイが猫から人へと戻るほうが早い…と、付き合いの長いダルドは肌でそれを感じ取った。

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