狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
目的達成への苦しい道のり①
「……で、私に言いたいことは?」
銀縁のソファへと腰掛けたキュリオに監視されるように向かい側へ座るアオイ。
キュリオの視線を痛いほど感じならがも顔を上げることの出来ないアオイは、両ひざで握りしめられた傷だらけの自分の手をひたすらに見つめ続ける。
早朝から部屋におらず、なにかを隠し続けようとするアオイにキュリオの苛立ちが伝わってきた。
「…………」
(……調理場に居たことがばれたら計画が台無しになってしまう……)
身を挺して計画に協力してくれた女官や侍女たちのことを想えば、ここで詳細を明らかにすることは絶対にできない。
「……ごめんなさいお父様。実は……部屋に飾るお花を摘みに出ていたんです」
寝室を出たキュリオが寝間着のまま行動することはほどんどなく、バスローブにガウンを羽織った彼がだいぶ前から自分を探していたことは容易に察しがついた。
アオイは心苦しく思いながらも、あまり詳しく言えないため嘘にはならない程度の嘘を口にするが、キュリオの疑いの眼差しは一層鋭くなる。
「摘んだ花はどこにある」
「……っ!」
(……あ、いけないっ……)
咄嗟に両手を広げて空を掴んだ手元を見つめてしまったアオイにキュリオの表情はさらに曇る。
「…………」
「……それは……」
次の言い訳を考えていなかったアオイは口を噤み、気まずそうにキュリオを見上げた。
言いようのないピリピリとした空気がふたりの間に流れると――
銀縁のソファへと腰掛けたキュリオに監視されるように向かい側へ座るアオイ。
キュリオの視線を痛いほど感じならがも顔を上げることの出来ないアオイは、両ひざで握りしめられた傷だらけの自分の手をひたすらに見つめ続ける。
早朝から部屋におらず、なにかを隠し続けようとするアオイにキュリオの苛立ちが伝わってきた。
「…………」
(……調理場に居たことがばれたら計画が台無しになってしまう……)
身を挺して計画に協力してくれた女官や侍女たちのことを想えば、ここで詳細を明らかにすることは絶対にできない。
「……ごめんなさいお父様。実は……部屋に飾るお花を摘みに出ていたんです」
寝室を出たキュリオが寝間着のまま行動することはほどんどなく、バスローブにガウンを羽織った彼がだいぶ前から自分を探していたことは容易に察しがついた。
アオイは心苦しく思いながらも、あまり詳しく言えないため嘘にはならない程度の嘘を口にするが、キュリオの疑いの眼差しは一層鋭くなる。
「摘んだ花はどこにある」
「……っ!」
(……あ、いけないっ……)
咄嗟に両手を広げて空を掴んだ手元を見つめてしまったアオイにキュリオの表情はさらに曇る。
「…………」
「……それは……」
次の言い訳を考えていなかったアオイは口を噤み、気まずそうにキュリオを見上げた。
言いようのないピリピリとした空気がふたりの間に流れると――