狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
捕獲された猫
「あらぁ?猫?」
『…?』
突如聴覚を刺激したのは、好奇と危険な何かを感じさせるような女性の声。
そして視覚に飛び込んできたのはメリハリのあるボディラインにしっとりと纏わりつく黒い布。
豊満な胸元は大きく開いており、長い手足を包む布はスリットが入っている。ちらりと覗く色白の肌は艶のある色香を一層際立たせて大人の女性の魅力を存分に出し切ったような女だった。
『…っひとだ!』
嬉しそうに彼女の足元へと駆けだしたアオイ。
しかし…
「毛皮にしたらさぞ美しいでしょうねぇ」
長い髪を後ろ手に払った彼女は凍えるようなアイスブルーの瞳をギラつかせながらアオイの首元を掴む。
『え…』
言葉の意味がわかってしまったアオイは恐怖におののき、全身を硬直させてしまう。
「んふふ…怖がらなくていいのよ?痛いのは一瞬でしょうから」
よく見れば彼女の口元には鋭い牙が生えており、まるで血を欲するヴァンパイアのように赤い舌をちらつかせながら唇を舐めている。
『きゃぁっ!いやぁあああっ!!』
爪をたてながらジタバタと女の手の下で暴れて抵抗するアオイ。
その柔軟な手足が女の手を掠(かす)めると…
「…っな、なにすんのよ!このクソ猫っっ!!」
焼けつくような痛みに女の口調が荒くなり、子猫の体は地へと向かって落とされ…