狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
目的達成への苦しい道のり②
――コンコン
『キュリオ様、アオイ姫様。失礼いたします』
「入れ」
キュリオはアオイを見つめたまま扉の向こうの人物へと言葉を返す。
――ガチャッ
「おはようございますキュリオ様、アオイ姫様。朝食の準備が整いましたが姫様のお部屋に運ばせますか?」
常にキュリオがどこにいるかを把握している家臣たちは、アオイの部屋にいるキュリオにさほど驚いた様子も見せず恭しく一礼して入室してきた。
「ああ、そうして……」
と、キュリオが目を閉じて頷くところで別の声が割ってはいる。
「わ、私……っ! 広間で食事がしたいです!!」
キュリオに問い詰められ、ションボリとしていたアオイが急に声に張りを持たせてキュリオの発言に異議を申し立てた。
「…………」
未だかつてアオイがキュリオに楯突いたことなどほとんどなく、互いに優先順位を一位とした行動に疑いなどなかった。それ故、キュリオの抱く初めての猜疑心には複雑な感情が入り混じっている。
「……参りましょうお父様っ! 食事が冷めてしまいます!!」
(……ごめんなさいお父様……)
目的達成はもうすぐそこに迫っている。逸(はや)る気持ちを抑えながらアオイは勢いよく立ち上がった。有無を言わせず扉に駆け寄ったアオイの背へと、ますますキュリオの疑心にまみれた視線がからんだ。
『キュリオ様、アオイ姫様。失礼いたします』
「入れ」
キュリオはアオイを見つめたまま扉の向こうの人物へと言葉を返す。
――ガチャッ
「おはようございますキュリオ様、アオイ姫様。朝食の準備が整いましたが姫様のお部屋に運ばせますか?」
常にキュリオがどこにいるかを把握している家臣たちは、アオイの部屋にいるキュリオにさほど驚いた様子も見せず恭しく一礼して入室してきた。
「ああ、そうして……」
と、キュリオが目を閉じて頷くところで別の声が割ってはいる。
「わ、私……っ! 広間で食事がしたいです!!」
キュリオに問い詰められ、ションボリとしていたアオイが急に声に張りを持たせてキュリオの発言に異議を申し立てた。
「…………」
未だかつてアオイがキュリオに楯突いたことなどほとんどなく、互いに優先順位を一位とした行動に疑いなどなかった。それ故、キュリオの抱く初めての猜疑心には複雑な感情が入り混じっている。
「……参りましょうお父様っ! 食事が冷めてしまいます!!」
(……ごめんなさいお父様……)
目的達成はもうすぐそこに迫っている。逸(はや)る気持ちを抑えながらアオイは勢いよく立ち上がった。有無を言わせず扉に駆け寄ったアオイの背へと、ますますキュリオの疑心にまみれた視線がからんだ。