狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
(……急にアオイの気配が……彼女の身に何が起きている?)
子猫になってしまった娘にアオイの気配を感じ取れずにいたキュリオは朝食もとらずに城の外へとやってきていた。
それはアオイを探すと出かけて行ったダルドが程なくして城を出たのが大きな理由だった。そしてあれほど動いていたダルドの気配が一点に留まり、何かあったのだとその行動が物語っている。
やがて森の奥へと歩いていくキュリオの目の前に現れたのは……
「貴方がたは心を読めない。だからこそ言葉が重要な役割を果たす……」
「……君は……」
気だるげにゆらりと木の陰から姿を見せた青年にキュリオは驚きの表情を浮かべる。
「ぼんやりしていると飼い猫にしたがる輩に"また"連れ去られますよ」
マダラの"また"の言葉にはティーダともうひとり。
子猫の首元に結ばれているリボンにさえ嫉妬する人型聖獣のダルドが含まれていた。
「……また? 飼い猫?」
(マダラは子猫のアオイのことを言っているのか?)
「……では私はこれで」
キュリオの問いかけに返事はなく礼儀正しく頭を下げた彼は再び木の陰と一体化し、あっという間に消え失せてしまった。
彼が何を知っているかはわからないが、滅多に姿を見せない第三位の王が無意味な言葉を残すはずがない。
「そうだな……言葉でなければ伝わらないことがある……」
言葉の重要さに改めて気づく。そしてそれは年齢に関係することなく、黙っていることで逆に傷つけてしまうことがあるのだと……。
子猫になってしまった娘にアオイの気配を感じ取れずにいたキュリオは朝食もとらずに城の外へとやってきていた。
それはアオイを探すと出かけて行ったダルドが程なくして城を出たのが大きな理由だった。そしてあれほど動いていたダルドの気配が一点に留まり、何かあったのだとその行動が物語っている。
やがて森の奥へと歩いていくキュリオの目の前に現れたのは……
「貴方がたは心を読めない。だからこそ言葉が重要な役割を果たす……」
「……君は……」
気だるげにゆらりと木の陰から姿を見せた青年にキュリオは驚きの表情を浮かべる。
「ぼんやりしていると飼い猫にしたがる輩に"また"連れ去られますよ」
マダラの"また"の言葉にはティーダともうひとり。
子猫の首元に結ばれているリボンにさえ嫉妬する人型聖獣のダルドが含まれていた。
「……また? 飼い猫?」
(マダラは子猫のアオイのことを言っているのか?)
「……では私はこれで」
キュリオの問いかけに返事はなく礼儀正しく頭を下げた彼は再び木の陰と一体化し、あっという間に消え失せてしまった。
彼が何を知っているかはわからないが、滅多に姿を見せない第三位の王が無意味な言葉を残すはずがない。
「そうだな……言葉でなければ伝わらないことがある……」
言葉の重要さに改めて気づく。そしてそれは年齢に関係することなく、黙っていることで逆に傷つけてしまうことがあるのだと……。