狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
「なるほど……。ならばこれは外して私から新しいものを贈ろう」
キュリオの指先がリボンに掛ると、しゅるりと音を立てたそれはいとも簡単にアオイを解放し、聖なる銀色の炎に包まれ跡形もなく消されてしまった。
すると支えをなくした一輪の花が地面に落ちて……
「こ、これだけはっ……! お部屋に飾っても構いませんか!?」
急いで拾い上げた花をきゅっと握りしめながら懇願するアオイをキュリオは横抱きにする。
「悪趣味なチョーカーよりお前に合っている。……いいだろう、許可しよう」
「ありがとうございます……!」
時折見せる父親の威圧的な言葉にはいつも正当な理由がある。
もちろん反発したいときもあるが、今は行方をくらました自分が余所で遊んでいたのだからそれだけで気分を害されてもしょうがないのだ。
「……とりあえず城に戻って食事にしよう。お前は先に湯浴みをしておいで」
「はいっ! ダルドさまも参りましょう!」
「うん……」
ダルドは欠けた爪を見つめながら黒いリボンの謎を捨てきれずにいる。
(僕の爪より丈夫な紐……? でもキュリオは簡単に……)
「ダルドさまー!」
(……僕じゃアオイ姫の力になれないのかな……)
遠くで自分の名を呼ぶ声を聞きながら、説明しがたい様々な状況に置いてきぼりを食らった気がしてならないダルドだった――。
キュリオの指先がリボンに掛ると、しゅるりと音を立てたそれはいとも簡単にアオイを解放し、聖なる銀色の炎に包まれ跡形もなく消されてしまった。
すると支えをなくした一輪の花が地面に落ちて……
「こ、これだけはっ……! お部屋に飾っても構いませんか!?」
急いで拾い上げた花をきゅっと握りしめながら懇願するアオイをキュリオは横抱きにする。
「悪趣味なチョーカーよりお前に合っている。……いいだろう、許可しよう」
「ありがとうございます……!」
時折見せる父親の威圧的な言葉にはいつも正当な理由がある。
もちろん反発したいときもあるが、今は行方をくらました自分が余所で遊んでいたのだからそれだけで気分を害されてもしょうがないのだ。
「……とりあえず城に戻って食事にしよう。お前は先に湯浴みをしておいで」
「はいっ! ダルドさまも参りましょう!」
「うん……」
ダルドは欠けた爪を見つめながら黒いリボンの謎を捨てきれずにいる。
(僕の爪より丈夫な紐……? でもキュリオは簡単に……)
「ダルドさまー!」
(……僕じゃアオイ姫の力になれないのかな……)
遠くで自分の名を呼ぶ声を聞きながら、説明しがたい様々な状況に置いてきぼりを食らった気がしてならないダルドだった――。