狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
ホワイトデー編
「アオイ姫様! 弁当は俺が持ちます!!」
「う、うんっ! ごめん!」
今朝も少し遅い目覚めに慌てているのは、この城の姫と世話係の剣士・カイだった。いつもは父親の居る広間へ顔を出し、挨拶をするのが決まりだが、今朝はもう出掛けていると聞いてそのまま城門へ急ぐ。
城を出てから城門を突破するまでにも敷地が広いため、鍛えていないアオイの肺と心臓はそれだけで激しく乱れてしまう。
「……っありがとうカイ、……いってきますっっ……!!」
「いってらっしゃいませ! ……お気を付けてっ!!」
受け取ったジルの重箱弁当が今度は腕へと圧力をかけ、キュリオに贈られた首元のチョーカーがしっとりと汗に濡れて光る。
指の腹ほどの太さのそれは、落ち着いた藍色の帯に銀色の花を模った装飾品がぶら下がっている。そして何よりも美しいのがその中心にはめ込まれた真珠という海の宝石の輝きだった。
「ちょっとアンタなになに~? ついに男でも出来た!?」
そう好奇な眼差しと声で
覆いかぶさってきたのは大親友のミキだ。
「うん……? どうして?」
「もーっ! とぼけちゃってぇ~! これは何かね!?」
ニヤニヤと笑みを深めながらキラリと光るアオイのチョーカーを指差す。
「あ、これは……」
隠すわけでもなく、説明しようとすると教室のドアが開いて担任と副担任が姿を現した。
「よーし皆居るなー。今日からアラン先生が復帰だ! 女子は特にはしゃぎすぎないよう気を付けるように!」
大柄の担任の念押しは体重に比例しなかったらしい。
やすやすと跳ねのけた女子生徒の声と眼差しを見ればそれは明らかだった。
「う、うんっ! ごめん!」
今朝も少し遅い目覚めに慌てているのは、この城の姫と世話係の剣士・カイだった。いつもは父親の居る広間へ顔を出し、挨拶をするのが決まりだが、今朝はもう出掛けていると聞いてそのまま城門へ急ぐ。
城を出てから城門を突破するまでにも敷地が広いため、鍛えていないアオイの肺と心臓はそれだけで激しく乱れてしまう。
「……っありがとうカイ、……いってきますっっ……!!」
「いってらっしゃいませ! ……お気を付けてっ!!」
受け取ったジルの重箱弁当が今度は腕へと圧力をかけ、キュリオに贈られた首元のチョーカーがしっとりと汗に濡れて光る。
指の腹ほどの太さのそれは、落ち着いた藍色の帯に銀色の花を模った装飾品がぶら下がっている。そして何よりも美しいのがその中心にはめ込まれた真珠という海の宝石の輝きだった。
「ちょっとアンタなになに~? ついに男でも出来た!?」
そう好奇な眼差しと声で
覆いかぶさってきたのは大親友のミキだ。
「うん……? どうして?」
「もーっ! とぼけちゃってぇ~! これは何かね!?」
ニヤニヤと笑みを深めながらキラリと光るアオイのチョーカーを指差す。
「あ、これは……」
隠すわけでもなく、説明しようとすると教室のドアが開いて担任と副担任が姿を現した。
「よーし皆居るなー。今日からアラン先生が復帰だ! 女子は特にはしゃぎすぎないよう気を付けるように!」
大柄の担任の念押しは体重に比例しなかったらしい。
やすやすと跳ねのけた女子生徒の声と眼差しを見ればそれは明らかだった。