狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
(当然アレスにも聞かれたのだろうな……)
「お父様? 大事なお話って……?」
「あぁ、取り敢えずそこへ座ろうか」
「はいっ」
「…………」
(無欲なアオイの事だ。"欲しい物"と聞かれて答えるのは恐らく"必要な物"なのだろう。その先を聞き出すには別の言い回しが必要か……)
「…………?」
急に考え込んでしまった父と向かい合わせに腰を下ろしたアオイ。
視線が交わらないことから、珍しく言いたいことがまとまっていないのだろうと静かに待つこと数分――。
「アオイ」
「……は、はい!」
突然名を呼ばれ、緊張が脳天を突き抜けるような錯覚を覚えて背筋を伸ばす。
「お前が"女性として"贈られたら嬉しいものを教えてほしい」
「女性として、ですか……?」
随分と具体的な問いかけに今度はアオイが口を噤んでしまう。
(……なんだろう、考えた事もなかった……"学校以外でミキやシュウと過ごす時間"っていうのは"女性として"とはならないだろうし……)
納得のいく答えが帰ってくるよう、細部にこだわった質問を投げかけてきたキュリオ。
そのおかげでアオイの思考からは早くも幾つかの候補が崩れ落ちていく。
――コンコン
『キュリオ様、アオイ姫様。お飲物をお持ちいたしましたっ』
「あぁ、入ってくれ」
質問で頭がいっぱいなアオイの代わりにキュリオが侍女へと指示を与え、目の前に出されたのは温かなハーブティーだった。
"うーん、うーん"と唸る姫の姿に侍女はソワソワと表情を伺っているが、ふたりの間に流れる空気が険悪なものではないと判断すると、笑みを浮かべた侍女はそっと部屋をあとにする。
「……今すぐその答えを求めているわけではないんだ。近いうちで構わないよ」
「お父様? 大事なお話って……?」
「あぁ、取り敢えずそこへ座ろうか」
「はいっ」
「…………」
(無欲なアオイの事だ。"欲しい物"と聞かれて答えるのは恐らく"必要な物"なのだろう。その先を聞き出すには別の言い回しが必要か……)
「…………?」
急に考え込んでしまった父と向かい合わせに腰を下ろしたアオイ。
視線が交わらないことから、珍しく言いたいことがまとまっていないのだろうと静かに待つこと数分――。
「アオイ」
「……は、はい!」
突然名を呼ばれ、緊張が脳天を突き抜けるような錯覚を覚えて背筋を伸ばす。
「お前が"女性として"贈られたら嬉しいものを教えてほしい」
「女性として、ですか……?」
随分と具体的な問いかけに今度はアオイが口を噤んでしまう。
(……なんだろう、考えた事もなかった……"学校以外でミキやシュウと過ごす時間"っていうのは"女性として"とはならないだろうし……)
納得のいく答えが帰ってくるよう、細部にこだわった質問を投げかけてきたキュリオ。
そのおかげでアオイの思考からは早くも幾つかの候補が崩れ落ちていく。
――コンコン
『キュリオ様、アオイ姫様。お飲物をお持ちいたしましたっ』
「あぁ、入ってくれ」
質問で頭がいっぱいなアオイの代わりにキュリオが侍女へと指示を与え、目の前に出されたのは温かなハーブティーだった。
"うーん、うーん"と唸る姫の姿に侍女はソワソワと表情を伺っているが、ふたりの間に流れる空気が険悪なものではないと判断すると、笑みを浮かべた侍女はそっと部屋をあとにする。
「……今すぐその答えを求めているわけではないんだ。近いうちで構わないよ」