狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
『アオイどこいっちゃったんだろうね。アンタの言った通り学校には来てるっぽいけど……』
四時限目が始まり、制服に着替えた生徒たちが黒板に目を向けながら静かに自席についている。そのなかでミキとシュウの視線だけがアオイの席の鞄へとむけられていた。
『…………』
(絶対アランがなにかしたに決まってる……っあいつが来てから変なことばっか起きてるって誰も気づかないのかよ!?)
先ほど体育館にいたクラスメイトでさえ、アオイの姿を見た者は誰ひとりとしていなかったのだ。
『……ねぇシュウ。こんなこと言いたくないんだけどさ……』
視線を落としたミキは言いにくそうに言葉を紡ぐ。その理由が授業中だからというわけではないとすぐにわかった。
『なんだよ』
頬杖を付きながらそっけなく返した彼にミキは眉をひそめて。
『……アンタに勝ち目はないと思う』
『なに勝手に戦わせてんだよ……って相手は誰だ?』
王に仕える剣士や魔導師ならば話は別だが、ただの人間相手にシュウが負けるはずがない。
楽に勝てると思ったセンスイとの戦いでその力を発揮したシュウだったが、あればかりは相手が悪かった。彼はキュリオと互角の力を持つ超人だったからだ。
(※センスイ編での話となりますので、こちらではまだお目見えしていない先話となります。申し訳ございません)
――その記憶すら、いまは謎の力により消え失せて……――
『アラン先生だよ』
『あ? なんでアイツが出てくんだよ……』
『ダメだこりゃ……ほんと鈍い。十中八九、アラン先生はアオイのことが好きだって言ってんの』
『……冗談だろ? 教師の分際で生徒に手だす気かよ……』
『まあ……そのへんはアオイの"お父様"が許さないと思うけどさ……』
ふたりは知らない。
アランと"お父様"が同一人物であることを。
そして、その彼が悠久の王であるということを――。
四時限目が始まり、制服に着替えた生徒たちが黒板に目を向けながら静かに自席についている。そのなかでミキとシュウの視線だけがアオイの席の鞄へとむけられていた。
『…………』
(絶対アランがなにかしたに決まってる……っあいつが来てから変なことばっか起きてるって誰も気づかないのかよ!?)
先ほど体育館にいたクラスメイトでさえ、アオイの姿を見た者は誰ひとりとしていなかったのだ。
『……ねぇシュウ。こんなこと言いたくないんだけどさ……』
視線を落としたミキは言いにくそうに言葉を紡ぐ。その理由が授業中だからというわけではないとすぐにわかった。
『なんだよ』
頬杖を付きながらそっけなく返した彼にミキは眉をひそめて。
『……アンタに勝ち目はないと思う』
『なに勝手に戦わせてんだよ……って相手は誰だ?』
王に仕える剣士や魔導師ならば話は別だが、ただの人間相手にシュウが負けるはずがない。
楽に勝てると思ったセンスイとの戦いでその力を発揮したシュウだったが、あればかりは相手が悪かった。彼はキュリオと互角の力を持つ超人だったからだ。
(※センスイ編での話となりますので、こちらではまだお目見えしていない先話となります。申し訳ございません)
――その記憶すら、いまは謎の力により消え失せて……――
『アラン先生だよ』
『あ? なんでアイツが出てくんだよ……』
『ダメだこりゃ……ほんと鈍い。十中八九、アラン先生はアオイのことが好きだって言ってんの』
『……冗談だろ? 教師の分際で生徒に手だす気かよ……』
『まあ……そのへんはアオイの"お父様"が許さないと思うけどさ……』
ふたりは知らない。
アランと"お父様"が同一人物であることを。
そして、その彼が悠久の王であるということを――。