狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

"体育会系グループ"②

年齢で分けるとしたら…実年齢五百年を超えるキュリオは初老である大臣ら同じグループになってしまう。
しかし…二十代半ばの若さを保つ彼はやはり、相応の組プラスα(アルファ)に入らなくては平等とは言えないだろう。


そしてそのグループというのは…


「キュリオ様!御遠慮はいりませんっ!!このブラスト!日頃鍛えた成果を存分にお見せしましょうぞっっ!!!」


「俺だって負けませんよ!!体力には自信があるんです!!」


日に焼けた体格の良い教官・ブラストと、彼の弟子でアオイの世話係である剣士・カイが肩を並べてこちらにやってきた。
ブラストの額には白いハチマキ、カイの額にはアオイと同じ赤いハチマキが巻かれている。


「二人とも頑張ってっ!!もちろんお父様もっっ!!」


アオイの声援を受け、静かに頷いたキュリオが己の衣へと手をかける。


「あぁ、全力を尽くそう」


すると現れたのは…彼にしては珍しく軽装な麻のシャツに細身の体によくフィットした白のパンツ。何を着ていても様になってしまうのはこの際しょうがない。さらに青のハチマキを額に掲げたキュリオは戦闘準備を始めた。


「…お父様って本当に…っ……」


(か、かっこいいっっ!!)


心の中で大声で叫んだアオイはハッとして口を噤んだ。


「アオイ?今なにか…」


娘の声はほぼ聞き逃さないキュリオが訝しげな顔をしてこちらを見つめている。


「え!?…い、いいえ!?お父様本当に天気が良くてなによりですね~?とかとか…っ」

(いつまでもこんな事言ってたらまたミキに笑われちゃう…)


素直なアオイは思ってる事をすぐ口にしてしまう節がある。隠し事をしないようにと育てられたため、ごまかすには相当な努力と気合が必要なのである。
そして心の優しい彼女は他人が傷つくような事は決して言わないため、余計な心配はいらないはずなのだが…

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