狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
普通①
「……」
(私がお父様のカラダを…?)
即答できなかったアオイは玉入れ競争に備え、カイたちと共に大きな樹木の傍で待機している。
「アオイ様…?」
先程から足元を見つめたままの少女に若い剣士の声がかかる。
「…うん」
返事はあるものの心ここに非ずなアオイ。
その様子から察した彼は眉を下げて一歩近づいた。
「…キュリオ様とちゃんとおはなし出来なかったんですね」
「なんて言ったらいいかわからないけど…言葉がみつからなくて……」
「…そうですか…」
(キュリオ様はアオイ姫様に何か重要な決断を求めていらっしゃるのだろうか…?)
日々美しく成長していく愛娘に悪い虫がつかぬよう警戒するキュリオの鋭い眼光がまわりにだけでなく、この少女にも向けられているのはわかるが…
しかし…時折、父親の溺愛を超えて恋人に向けられる異性間の愛情のようなものが彼の身を焦がしている気がしてならない。
「アオイ姫様、そろそろキュリオ様から距離を置いてみてはいかがです?」
「え?」
ようやく顔を上げた華凜な少女は、若い剣士の言葉の意味が理解できず目を丸くさせていた。
「…距離を置くと言っても普段となんら変わりのない生活ですが…」
「…どういう意味?」
「父と娘がひとつのベッドで共に眠るなど、アオイ姫様の年齢を考えれば疑問に持つ者のほうが多いはずです」
(私がお父様のカラダを…?)
即答できなかったアオイは玉入れ競争に備え、カイたちと共に大きな樹木の傍で待機している。
「アオイ様…?」
先程から足元を見つめたままの少女に若い剣士の声がかかる。
「…うん」
返事はあるものの心ここに非ずなアオイ。
その様子から察した彼は眉を下げて一歩近づいた。
「…キュリオ様とちゃんとおはなし出来なかったんですね」
「なんて言ったらいいかわからないけど…言葉がみつからなくて……」
「…そうですか…」
(キュリオ様はアオイ姫様に何か重要な決断を求めていらっしゃるのだろうか…?)
日々美しく成長していく愛娘に悪い虫がつかぬよう警戒するキュリオの鋭い眼光がまわりにだけでなく、この少女にも向けられているのはわかるが…
しかし…時折、父親の溺愛を超えて恋人に向けられる異性間の愛情のようなものが彼の身を焦がしている気がしてならない。
「アオイ姫様、そろそろキュリオ様から距離を置いてみてはいかがです?」
「え?」
ようやく顔を上げた華凜な少女は、若い剣士の言葉の意味が理解できず目を丸くさせていた。
「…距離を置くと言っても普段となんら変わりのない生活ですが…」
「…どういう意味?」
「父と娘がひとつのベッドで共に眠るなど、アオイ姫様の年齢を考えれば疑問に持つ者のほうが多いはずです」