狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
女神・マゼンタ、スカーレット
キュリオに飛びついた女はあどけない少女らしさを残した元気な印象を受け、上品な巻き毛が彼女の華やかな雰囲気をさらにひきたてている。
すると精悍な顔立ちの赤い髪の女性が一歩前に進み出た。
「御無沙汰しておりますキュリオ様。スカーレットとマゼンタの入城許可、有難き幸せにございます」
恭しく一礼した赤い髪の人物はもう一人の女とは違い、ドレスのようなものは身に着けておらず、見事に着こなしたスマートな服装が中性的な印象を強く与えた。
そしてその頭部は短髪だが前髪だけ長く、斜めから分けた赤い髪から覗く瞳は戦士のように鋭い。
「これはこれはスカーレット殿!」
突如響いた渋い声にアオイとカイの視線は流れ…
現れたブラストが赤い髪の人物へと握手を求めながら親しげに近づいていくのが見えた。
「やぁブラスト。また剣の腕を上げたそうじゃないか。手合せを願おうと思って来てみたのだが…予定も確認せずにすまなかったな」
堅く握手を交わす二人。それなりに背のあるブラストと負けず劣らず長身の彼女は口調もまた男性のようだった。
「いやいや!こちらこそ申し訳ないっ!!ですがキュリオ様のお許しも頂けた事ですし、ごゆっくり御観覧を…あっ!なんなら運動会に参加されては如何です!?」
「…運動会?確かに体慣らしには良さそうだな…」
よほど体力に自信があるらしい彼女はあたりを見回すと、参加者と思しき人物たちの技量を図るように視線を投げかけている。
すると…
「……?」
(…感じた事のない視線がひとつ…)
剣士としても優秀なスカーレットは不躾に投げられる女官や侍女たちの視線にも物怖じしなかったが、その中に不安と戸惑いが入り混じる不思議な視線を受けてあたりを見回す。
「…あの娘…」
すぐさまスカーレットの視線は一点に集中し、見覚えのない顔に興味が惹かれた。
視線の先に佇む青年がブラストの弟子である若き剣士のカイであることは知っていたが、その背から顔を覗かせている少女が彼に触れている事から、二人が近しい仲であることは容易に想像できた。
しかし…紹介を受けているわけもないスカーレットはその娘の正体を知るはずもない。が…
(…侍女にしては周りの者の注目を浴びすぎている…)
少女を取り巻く女官らの視線はどこまでも優しく、彼女が特別な何かであることは一目でわかった。
すると精悍な顔立ちの赤い髪の女性が一歩前に進み出た。
「御無沙汰しておりますキュリオ様。スカーレットとマゼンタの入城許可、有難き幸せにございます」
恭しく一礼した赤い髪の人物はもう一人の女とは違い、ドレスのようなものは身に着けておらず、見事に着こなしたスマートな服装が中性的な印象を強く与えた。
そしてその頭部は短髪だが前髪だけ長く、斜めから分けた赤い髪から覗く瞳は戦士のように鋭い。
「これはこれはスカーレット殿!」
突如響いた渋い声にアオイとカイの視線は流れ…
現れたブラストが赤い髪の人物へと握手を求めながら親しげに近づいていくのが見えた。
「やぁブラスト。また剣の腕を上げたそうじゃないか。手合せを願おうと思って来てみたのだが…予定も確認せずにすまなかったな」
堅く握手を交わす二人。それなりに背のあるブラストと負けず劣らず長身の彼女は口調もまた男性のようだった。
「いやいや!こちらこそ申し訳ないっ!!ですがキュリオ様のお許しも頂けた事ですし、ごゆっくり御観覧を…あっ!なんなら運動会に参加されては如何です!?」
「…運動会?確かに体慣らしには良さそうだな…」
よほど体力に自信があるらしい彼女はあたりを見回すと、参加者と思しき人物たちの技量を図るように視線を投げかけている。
すると…
「……?」
(…感じた事のない視線がひとつ…)
剣士としても優秀なスカーレットは不躾に投げられる女官や侍女たちの視線にも物怖じしなかったが、その中に不安と戸惑いが入り混じる不思議な視線を受けてあたりを見回す。
「…あの娘…」
すぐさまスカーレットの視線は一点に集中し、見覚えのない顔に興味が惹かれた。
視線の先に佇む青年がブラストの弟子である若き剣士のカイであることは知っていたが、その背から顔を覗かせている少女が彼に触れている事から、二人が近しい仲であることは容易に想像できた。
しかし…紹介を受けているわけもないスカーレットはその娘の正体を知るはずもない。が…
(…侍女にしては周りの者の注目を浴びすぎている…)
少女を取り巻く女官らの視線はどこまでも優しく、彼女が特別な何かであることは一目でわかった。