狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
忍び寄る影
「アオイ姫様、念のため姫様に"様"を付けるのを控えよとキュリオ様より皆に伝達がございました」
声を潜めたカイが神妙な面持ちで囁く。
「…え?でも…学校じゃないのに?」
「はい。恐らく大丈夫かとは思いますが、万が一の為にという事でございますので。アオイさんと呼ばせて頂きますね」
なるべくアオイが不安に駆られぬよう優しく笑いかけるカイにアオイも満面に笑みで応える。
「うんっ!もうずっとそう呼んでくれていいよ?」
「…ありがとうございます」
少しの間を置いて頷いたカイ。そして彼の顔を見つめながら何かを考えるように首を傾げたアオイ。
「…じゃあ私も"お父様"じゃなくて"キュリオ様"って呼んだ方がいいのかな…」
「あ、それもそうですね…侍女として振舞われるのならそれがよろしいかと」
「うん!アラン先生って呼んじゃいそうだから気を付けないと」
「はい!少しの間だけだと思いますので、今は玉入れに集中しましょう!!」
やがて運ばれてきた赤い玉が足元にばら撒かれると、アオイとカイは楽しそうに両手いっぱいの玉を拾い上げる。
「いくら万能なキュリオ様でも玉入れなんて馴れているはずはありませんからね!勝ち目は十分あるはずです!!」
「うんっ!私もこれなら皆と同じくらいいけるかもしれないっ!」
"それでは皆さん!制限時間はこの砂時計の砂がなくなるまでです!!"
アレスの声が響き渡り、一斉に彼へと視線が集まる。
檀上に上がったアレスの手元にはひとまわり大きな砂時計が今まさに新たな時を刻もうと輝いていた。
"それではヨォイ……スタァアアアット!!!!"
第二戦目となる玉入れ競争の始まりを宣言するアレスの声。
すると勢いよく玉を投げ入れる人の波を赤い髪の女神が一点を目指し歩いていく。
「あ…」
アオイの手から零れた赤い玉を拾い上げようと膝を折った少女の前にひとつの影が現れ、優雅な動作でそれを手にすると目の前に差し出される。
「ありがとう」
何も疑わず礼を言って受け取り、アオイが顔を上げると…
「こんにちはお嬢さん。俺も混ぜてもらっていいかな」
女神一族の直系である"二の女神・スカーレット"が探るような目付きでアオイを見据えているのだった―――。
声を潜めたカイが神妙な面持ちで囁く。
「…え?でも…学校じゃないのに?」
「はい。恐らく大丈夫かとは思いますが、万が一の為にという事でございますので。アオイさんと呼ばせて頂きますね」
なるべくアオイが不安に駆られぬよう優しく笑いかけるカイにアオイも満面に笑みで応える。
「うんっ!もうずっとそう呼んでくれていいよ?」
「…ありがとうございます」
少しの間を置いて頷いたカイ。そして彼の顔を見つめながら何かを考えるように首を傾げたアオイ。
「…じゃあ私も"お父様"じゃなくて"キュリオ様"って呼んだ方がいいのかな…」
「あ、それもそうですね…侍女として振舞われるのならそれがよろしいかと」
「うん!アラン先生って呼んじゃいそうだから気を付けないと」
「はい!少しの間だけだと思いますので、今は玉入れに集中しましょう!!」
やがて運ばれてきた赤い玉が足元にばら撒かれると、アオイとカイは楽しそうに両手いっぱいの玉を拾い上げる。
「いくら万能なキュリオ様でも玉入れなんて馴れているはずはありませんからね!勝ち目は十分あるはずです!!」
「うんっ!私もこれなら皆と同じくらいいけるかもしれないっ!」
"それでは皆さん!制限時間はこの砂時計の砂がなくなるまでです!!"
アレスの声が響き渡り、一斉に彼へと視線が集まる。
檀上に上がったアレスの手元にはひとまわり大きな砂時計が今まさに新たな時を刻もうと輝いていた。
"それではヨォイ……スタァアアアット!!!!"
第二戦目となる玉入れ競争の始まりを宣言するアレスの声。
すると勢いよく玉を投げ入れる人の波を赤い髪の女神が一点を目指し歩いていく。
「あ…」
アオイの手から零れた赤い玉を拾い上げようと膝を折った少女の前にひとつの影が現れ、優雅な動作でそれを手にすると目の前に差し出される。
「ありがとう」
何も疑わず礼を言って受け取り、アオイが顔を上げると…
「こんにちはお嬢さん。俺も混ぜてもらっていいかな」
女神一族の直系である"二の女神・スカーレット"が探るような目付きでアオイを見据えているのだった―――。