狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
二の女神の正体
「…ブラスト教官…今のって二の女神・スカーレット殿ですよね」
カイが悔しそうにブラストに問いかける。
「ん?そうだが、どうかしたか?」
「なんっか完璧っていうか…嫌味っていうか鼻につくんですよね!!」
「はっはっ!!そうだぞ!彼女はまさに完璧だ!!なんだ?何か言われたのか?」
「ええ!そりゃあもう!!」
カイは悔しそうに地団駄踏むが…
「カイ!こっちの準備手伝ってくれ!!」
「キュリオ様はプログラムの見直しをお願いいたいます!」
「わかった!すぐ行く!」
再びアレスの声に立ち去る羽目になってしまった。
カイがいなくなった場所に佇むアオイとキュリオ、そしてブラスト。
「アオイ、あの二人にはあまり近づくな。お前は私の目の届く場所にいると約束しておくれ」
「…お父様…わかりました」
(スカーレットさん悪い人には見えない…そんなに心配する事ないのに)
キュリオはアオイが頷いたのを見届けると安心したように踵を返し、アレスのもとへ歩いて行った。
「…アオイ様…」
キュリオの背を見送るアオイにブラストが声を下げて囁いた。
「うん?どうしたの?」
背の高いブラストを見上げながらアオイは振り返った。
「…いえ、アオイ様はその…スカーレット殿に嫌がらせなど受けてはおりませんか?」
先程のカイの言葉を気にしてか、ブラストは旧知の仲であるスカーレットの態度を心配しているようだ。
「ううん、凄く頼もしくてカッコイイなって思っちゃうくらい素敵な人だと思ったよ?」
「そうですか…」
不安になるような返答はしていないはずのアオイの言葉にブラストの表情は曇ったままだ。
「どうしたの?スカーレットさんの事でなにか…」
「…恐らく、キュリオ様がご心配されるのもこれからおはなしする事が大きな要因かもしれません」
「…?」
「実はスカーレット殿は……」