狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
こじれた糸
「…っ…」
いきなりその部分を突かれたアオイの顔には動揺の色が広がる。
アオイがスカーレットにと出したティーセットと同じものをキュリオが要求したからには、中庭での出来事はすべて知られていると考えて間違いない。
…そして、手つかずのティーセットを持ったまま城に消えたアオイを追って行ったスカーレットの姿も―――。
「っな、何を…、というわけでは…っただ紅茶を召し上がって頂いただけで…っ…」
「……」
アオイの弁解には頷かず、キュリオの疑いの眼差しに罪悪感を覚えたアオイは頬を染めながら思わず唇を押さえてしまった。
その仕草を見逃さなかったキュリオの顔にはみるみる怒りの色が広がり、口元がギリギリと歪められていく。
「やってくれたな……スカーレット」
低く呟かれた言葉にアオイの身の毛がよだつ。彼の次の行動は絶対に良くないものだとわかっているからだ。
「…っ…」
(お父様はスカーレットさんを追い出すつもりなんだわ!!)
そして立ち上がろうとしたキュリオの腕を咄嗟に掴んだアオイは…
「…っお友達になるのもいけませんか!?」