狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
スカーレットを探して
「…スカーレットさんどこに行っちゃったんだろう…っ…」
この時ばかりは色鮮やかな庭園が仇となり彼の緋色の髪を見落としてしまいそうで怖い。額に汗をかき、肩を上下させたアオイは焦りの色を滲ませながらさらに奥へと進む。
そして手入れの行き届いた花々を抜けると…涼しげな水音を響かせた噴水がアオイを出迎え、光を受けた飛沫が束の間の癒しを与えるように輝いていた。
「…中庭こんなに広かったっけ……?」
まるで同じ場所をぐるぐる回っているような錯覚に陥ったアオイは、気落ちしながら噴水へと近づくと両手を水に浸し掬(すく)い上げた。
背筋が伸びるような冷たさを感じながら顔を洗い、顔を上げると…
「次の種目は"かくれんぼ"か?そんなところに居たらすぐ見つかるぞ?」
「……?」
どこからともなく聞こえてくるその声は紛れもなく…
「スカーレットさん…っ?!」
きょろきょろとあたりを見回すアオイの濡れた頬が風に撫でられ、それまで閉ざされていた扉が開け放たれたように風が通り抜けた。
「どこ見てんだ?俺なら上にいるぜ」
そう言われて視線を上げると…すでに通り過ぎた噴水の手前の木の上にスカーレットは腰掛けていた。
「あ…」
彼の姿を確認したアオイはほっと胸を撫で下ろし、強張った表情を和らげながら木の根元まで足を進める。
すると、先ほどまでおかしそうにこちらを見ていたスカーレットの瞳が切なげに揺れた―――。
この時ばかりは色鮮やかな庭園が仇となり彼の緋色の髪を見落としてしまいそうで怖い。額に汗をかき、肩を上下させたアオイは焦りの色を滲ませながらさらに奥へと進む。
そして手入れの行き届いた花々を抜けると…涼しげな水音を響かせた噴水がアオイを出迎え、光を受けた飛沫が束の間の癒しを与えるように輝いていた。
「…中庭こんなに広かったっけ……?」
まるで同じ場所をぐるぐる回っているような錯覚に陥ったアオイは、気落ちしながら噴水へと近づくと両手を水に浸し掬(すく)い上げた。
背筋が伸びるような冷たさを感じながら顔を洗い、顔を上げると…
「次の種目は"かくれんぼ"か?そんなところに居たらすぐ見つかるぞ?」
「……?」
どこからともなく聞こえてくるその声は紛れもなく…
「スカーレットさん…っ?!」
きょろきょろとあたりを見回すアオイの濡れた頬が風に撫でられ、それまで閉ざされていた扉が開け放たれたように風が通り抜けた。
「どこ見てんだ?俺なら上にいるぜ」
そう言われて視線を上げると…すでに通り過ぎた噴水の手前の木の上にスカーレットは腰掛けていた。
「あ…」
彼の姿を確認したアオイはほっと胸を撫で下ろし、強張った表情を和らげながら木の根元まで足を進める。
すると、先ほどまでおかしそうにこちらを見ていたスカーレットの瞳が切なげに揺れた―――。