手を伸ばしたその先に
プロローグ
私は幸せでは無い。でも、不幸でもない。どんなに楽しいことをしても、あっという間に楽しい気分は過ぎ去って行ってしまう。何が不満なのかは私にも分からない。だから、意味もなくモヤモヤしていた。それが、17歳だった頃の私。そんな私は、貴方といる時間だけはいつだって幸せだった。あれから10年たって、あの頃の貴方と同じ歳になった今の私。貴方と初めて会った日と同じ青空を見ると、心の奥に閉まったはずの思い出がひょっこり顔を出す。 貴方は私のことを覚えてくれていますか?私は今でも貴方に恋をしています。