手を伸ばしたその先に
3週間前、私、柊潔乃は、死ぬかもしれないと思う位の腹痛に襲われて、大嫌いな祖父が経営し、同じく大嫌いな父と母と兄の働くこの病院に担ぎこまれた。診察の結果、盲腸と診断された私は緊急手術を受けた。手術と聞いた時、母はおどろいていたけれど、私は「課題、終わらなかったら先生に何て言おう」なんて呑気なことを考えていた。
幸い手術は無事に成功して、昔から丈夫なだけが取り柄の私は1週間程度で手術の痛みも直り、割りとピンピンしていた。今の私は3日前に抜糸も終わり、暇をもて余しているのだ。
「暇だなー」
私は、宿題のドリルを開いた。こんな時は勉強でもして、無理矢理にでも脳ミソを使わなきゃすぐに暗い気持ちでいっぱいになってしまう。すると、サイドテーブルに置いたスマホが元気よく鳴り響いた。ディスプレイの名前を確認して、少しだけ笑顔になる。
「もしもし、キョウ?今大丈夫?」
「うん。珍しいね、チョコから電話してくるなんて。」
電話の相手はチョコこと、中村千代子。彼女は私と同じ演劇部の部員で、副部長をしている。ちなみに私は部長。
「あのね、すごい先生が新採で来るんだって!ヤバイよ、多分キョンが聞いたらびっくりするよ。」
幸い手術は無事に成功して、昔から丈夫なだけが取り柄の私は1週間程度で手術の痛みも直り、割りとピンピンしていた。今の私は3日前に抜糸も終わり、暇をもて余しているのだ。
「暇だなー」
私は、宿題のドリルを開いた。こんな時は勉強でもして、無理矢理にでも脳ミソを使わなきゃすぐに暗い気持ちでいっぱいになってしまう。すると、サイドテーブルに置いたスマホが元気よく鳴り響いた。ディスプレイの名前を確認して、少しだけ笑顔になる。
「もしもし、キョウ?今大丈夫?」
「うん。珍しいね、チョコから電話してくるなんて。」
電話の相手はチョコこと、中村千代子。彼女は私と同じ演劇部の部員で、副部長をしている。ちなみに私は部長。
「あのね、すごい先生が新採で来るんだって!ヤバイよ、多分キョンが聞いたらびっくりするよ。」