いつかの想い
学校に着くとみんなから「おはよう!」と挨拶をされる。
「かわいい」やら「きれい」やらみんな口々に言っているのも聞こえる。

それでも私は何も聞こえていないかのようにみんなに笑顔で挨拶をかえす。

入学してからこれはもう日常化されている。
毎日あんなことを言われれば嫌でも自分の容姿が特別だと自覚する。

くりっとした大きな薄茶の目にすっと通った鼻、小さな潤った唇。
腰まであるパーマがかった髪に細長く伸びた白い手足。

私はこの容姿が好きではない。
嫌なことを思い出す。

私は何も考えないように教室へ向かった。
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