アバターの恋
「お母さんが……料理…教え…て…」
由香は手で顔を押さえて、また泣き出した。
母から料理を教えてもらった事を思い出したのだ。

磯山は石井に向いて、小さくうなずいた。
暫く泣かせることしたようだ。

由香はヒクヒク泣いている。

暫くして「先生!……由香……もう……だめ。お母さんに……会い…たい。ワァー……」由香は号泣した。

磯山は由香を抱き締めた。

刑務官はその光景を睨んで「時間です」と冷たく言う。

石井が「おい!」と怒鳴る。

磯山が由香を抱き抱え立ち上がった。磯山も涙が溢れている。

石井が立ち上がった。
刑務官が制止する。
「コラー!」

磯山が、涙声で、
「必ず!年末まで出します!」
と言って由香を引き連れて面会室を出た。
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop