アバターの恋
「俗に言う胸キュン。由香ちゃんの子宮が石井さんに反応して動いたのよ」

「えー。由香、まだ経験ないのにそんな事があるんだ」

タクシーの運転手が卑猥な想像をしたのかニヤついてバックミラーで由香を見ている。

「自然な反応だから、心配いらないよ」

「先生、年末、豪華料理つくるからね。刑事さんを絶対出してね!」

「ええ」

「また、面会に行く時由香もゆくよ」

精神が不安定な時や辛いことがある時は、それを忘れようと自然に精神が何かに向かう。由香は、母の突然の死、アバター事件、自殺未遂、友達の死に負けまいと石井に向ったのだ。
これを今ぶち壊すことは出来ない。自然と精神が癒されるまで待つしかない。

「時間があえば、連れてゆくよ」

由香は、磯山の消極的な心に気付いたのか?横を向いて磯山を見ている。

ここで戸惑ってはダメだ。強気でゆくしかない。

「今からが大変なの、弁護士の先生とかと面会することになるの」

由香は目に涙を一杯溜めて磯山を見ている。またシクシク泣き出した。

磯山は、由香に何も言わずそのまま泣かせている。
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