傷つけたくない 抱きしめたい
*
それから私たちは、清崎町の不思議を探すために、毎日集まって近くの商店街で聞き込みをしたり、図書館のパソコンコーナーで調べたりするようになった。
そして、不思議探しを始めて二週間ほどが過ぎた頃。
「あー、暑い」
嵐くんが額に浮いた汗をタオルで拭いながら呟く。
梨花ちゃんも「ほんと、暑い」と手で顔をぱたぱたとあおいだ。
いつの間にか春はすっかり過ぎ去り、季節は夏になっている。
夏らしい明るく強い陽射しを受けながら、土曜日の商店街を私たちは歩いていた。
もちろん、七不思議の聞き込みのためだ。
梨花ちゃんと嵐くんが先に立って歩き、私と雪夜くんが後ろをついていくという、いつもの光景。
雪夜くんはパーカーのポケットに手を突っ込み、濃い色のジーンズをはいた長い足を持て余すようにぶらぶらと歩いていた。
「……ねえ、暑くない?」
そう私が訊ねてしまったのは、雪夜くんが着ているパーカーが、薄手とはいえ長袖だったからだ。
今日は朝から天気がよくて気温が高かったから、周りを行く人たちはみんな半袖、もしくはノースリーブの人だっている。
そんな中で長袖の服を着込んでいる雪夜くんは、ずいぶん目立っていたのだ。
そういえば雪夜くんは学校でも、みんなが制服を半袖に衣替えしても、一人ずっと長袖のカッターシャツを着続けている。
それから私たちは、清崎町の不思議を探すために、毎日集まって近くの商店街で聞き込みをしたり、図書館のパソコンコーナーで調べたりするようになった。
そして、不思議探しを始めて二週間ほどが過ぎた頃。
「あー、暑い」
嵐くんが額に浮いた汗をタオルで拭いながら呟く。
梨花ちゃんも「ほんと、暑い」と手で顔をぱたぱたとあおいだ。
いつの間にか春はすっかり過ぎ去り、季節は夏になっている。
夏らしい明るく強い陽射しを受けながら、土曜日の商店街を私たちは歩いていた。
もちろん、七不思議の聞き込みのためだ。
梨花ちゃんと嵐くんが先に立って歩き、私と雪夜くんが後ろをついていくという、いつもの光景。
雪夜くんはパーカーのポケットに手を突っ込み、濃い色のジーンズをはいた長い足を持て余すようにぶらぶらと歩いていた。
「……ねえ、暑くない?」
そう私が訊ねてしまったのは、雪夜くんが着ているパーカーが、薄手とはいえ長袖だったからだ。
今日は朝から天気がよくて気温が高かったから、周りを行く人たちはみんな半袖、もしくはノースリーブの人だっている。
そんな中で長袖の服を着込んでいる雪夜くんは、ずいぶん目立っていたのだ。
そういえば雪夜くんは学校でも、みんなが制服を半袖に衣替えしても、一人ずっと長袖のカッターシャツを着続けている。