傷つけたくない 抱きしめたい
「ふうん? 分かるような、分からないような」
染川さんが言うと、三浦くんが「ごめん、うまく言えないわ」と頭を掻いた。
「でも、確かにそうだよね。三浦と遠藤くんは男だからあれだけど、私と霧原さん……美冬は、結婚して名字変わっちゃうかもしれないもんね。ま、結婚できればの話だけど」
「男だって変わるかもしれないだろ」
染川さんの言葉を遮るようにそう言ったのは、遠藤くんだった。
私と染川さんは驚いて目を向けたけれど、彼は一言つぶやいたきり、ふたたび黙りこむ。
三浦くんは静かに頷いていた。
どういう意味なんだろう、と私は内心で首を傾げる。
結婚したからといって必ずしも女性が男性の籍に入るとは限らないから、男性が相手の名字に変わることもある、とそういうことを言っているのだろうか。
「まあ、でも、なんにせよ、名前で呼び合うっていいよね。仲良くなった感じがするし」
染川さんが明るく言って、一人一人を指差しながら、
「美冬、嵐、雪夜」
と名前を呼んでいった。
三浦くんが「いいじゃん、なんかしっくりくる」と笑い、
「お前は、梨花、だな」
と染川さんに微笑んだ。
染川さんが言うと、三浦くんが「ごめん、うまく言えないわ」と頭を掻いた。
「でも、確かにそうだよね。三浦と遠藤くんは男だからあれだけど、私と霧原さん……美冬は、結婚して名字変わっちゃうかもしれないもんね。ま、結婚できればの話だけど」
「男だって変わるかもしれないだろ」
染川さんの言葉を遮るようにそう言ったのは、遠藤くんだった。
私と染川さんは驚いて目を向けたけれど、彼は一言つぶやいたきり、ふたたび黙りこむ。
三浦くんは静かに頷いていた。
どういう意味なんだろう、と私は内心で首を傾げる。
結婚したからといって必ずしも女性が男性の籍に入るとは限らないから、男性が相手の名字に変わることもある、とそういうことを言っているのだろうか。
「まあ、でも、なんにせよ、名前で呼び合うっていいよね。仲良くなった感じがするし」
染川さんが明るく言って、一人一人を指差しながら、
「美冬、嵐、雪夜」
と名前を呼んでいった。
三浦くんが「いいじゃん、なんかしっくりくる」と笑い、
「お前は、梨花、だな」
と染川さんに微笑んだ。