インキャ！

なんやかんやで入学式が終わった。
自分の席でぼーっとしていたら、学校恒例の自己紹介タイムが始まった。あぁ、メンドクサイなぁ。ゲーム、アニメ以外に好きなものとか無いし。でも、新クラスで早々に「私、オタクでインキャでーす！」と発表すればどうなる？
多分、もう中学生活でのぼっち確定だ。
それはなんとしてでも避けたい。
そんなことを考えていた時、目を疑ってしまうようなことを発見した。
「あ、あの娘は……！」
そこにはさっき見た、猫さんがいた。驚きを隠せない。
「私の名前は、村上 鈴(ムラカミリン)といいます。好きなものは、ホットミルクです！」
さっきも思ったが、とても可愛らしい声だ。へぇ、村上鈴と言うのか。モテそうな感じの娘だなぁ。
色んなことを考えていると、私の番がきていた。やべぇ、何も考えてない……。
「私の名前は、田中 尚(タナカナオ)といいます……。」
私は名前だけ言い、席に座った。はぁ、自己紹介は失敗だなぁ。どーしよ。
自己紹介も終盤に差し掛かったころ、ある男子生徒に私は、目を奪われた。
「僕の名前は、白羽和斗(シラハネカズト)といいます。皆さん、よろしくお願いします。」
ま、眩しい……。同じ人間なのに、この差はなんだ？？と思ってしまうほどの完璧人間だなぁ。