29歳、処女。
「もう、なんでいちいちそんなに直接的なんですか………少しはオブラートに包んでくださいよ」
「直接的で何が悪い? へんにぼかして意志疎通しにくいのより、よっぽど効率的だろ」
そうだ、喜多嶋さんはそういう人だった。
「………そういうこと、したいっていうか、そういう具体的な欲望っていうより、知らないことが不安で、とにかく知りたいっていうか」
すると喜多嶋さんは呆れたように息をついた。
「回りくどいな。つまり、やりたいんだろ?」
私はぐっと言葉に詰まって、喜多嶋さんを見つめ返す。
馬鹿にされているのかと思ったけど、喜多嶋さんの顔にはからかいの色は浮かんでいなかった。
「………このままじゃいやだし、だめだって分かってるので、………たいです」
勇気をふりしぼって言ってみたものの、やっぱり恥ずかしすぎて声がかすれてしまった。
でも、喜多嶋さんは気にしたふうもなく、にんまりと笑う。
「よし、わかった。後輩のために一肌ぬいでやろう」
え? と私は目をあげる。
喜多嶋さんは至極真面目な目付きで、
「協力してやるって言ってんだよ」
と自信たっぷりに言った。
「え? 協力って………何の?」
ぼんやりと問い返すと、喜多嶋さんが腕を組んで満面に笑みを浮かべる。
「お前の処女ライフ脱却のために、この俺が特別にレッスンをしてやる。どうだ、ありがたいだろ?」
「………はい?」
「俺がお前を大人の女にしてやるよ」
私はぽかんとしたまま、しばらく喜多嶋さんの顔を凝視していた。
「直接的で何が悪い? へんにぼかして意志疎通しにくいのより、よっぽど効率的だろ」
そうだ、喜多嶋さんはそういう人だった。
「………そういうこと、したいっていうか、そういう具体的な欲望っていうより、知らないことが不安で、とにかく知りたいっていうか」
すると喜多嶋さんは呆れたように息をついた。
「回りくどいな。つまり、やりたいんだろ?」
私はぐっと言葉に詰まって、喜多嶋さんを見つめ返す。
馬鹿にされているのかと思ったけど、喜多嶋さんの顔にはからかいの色は浮かんでいなかった。
「………このままじゃいやだし、だめだって分かってるので、………たいです」
勇気をふりしぼって言ってみたものの、やっぱり恥ずかしすぎて声がかすれてしまった。
でも、喜多嶋さんは気にしたふうもなく、にんまりと笑う。
「よし、わかった。後輩のために一肌ぬいでやろう」
え? と私は目をあげる。
喜多嶋さんは至極真面目な目付きで、
「協力してやるって言ってんだよ」
と自信たっぷりに言った。
「え? 協力って………何の?」
ぼんやりと問い返すと、喜多嶋さんが腕を組んで満面に笑みを浮かべる。
「お前の処女ライフ脱却のために、この俺が特別にレッスンをしてやる。どうだ、ありがたいだろ?」
「………はい?」
「俺がお前を大人の女にしてやるよ」
私はぽかんとしたまま、しばらく喜多嶋さんの顔を凝視していた。