29歳、処女。
何気なく顔をあげる。
そこにいるのは、鏡の中から見つめてくる私。
じっと見つめ返す。
その瞬間、ぞっとした。
「………うそ」
上からの強いライトに照らされて、口の両側にうっすらと縦の線、法令線が浮かびあがっていたのだ。
慌てて顔を近づけてよく見ると、目尻にも小さな皺のようなものが見える。
化粧も浮きまくっているし。
「………やだ、もう」
いつの間に、こんなに老けていたんだろう。
そういえばつい先日、何気なく鏡を見ながら髪をといていたら、白髪がひょっこり顔を覗かせていて、慌てて抜いたこともあった。
ショックだけど、仕方ないか、とも思う。
だって、私はもう、29歳なのだ。
立派なアラサーだ。
白髪や皺の一本や二本、あっても当たり前だ。
でも、頭では分かっていても、心がついていかない。
精神的にはまだまだ二十歳そこそこくらいにしか成長できていない。
それなのに、見た目ばかり老けていく。
仕方がないことだし、誰にも訪れるものなんだろうけど。
「………でも、やっぱり、いやだ」
私が心からそう思うのには、他の人とは違う大きな事情があるのだ。
そこにいるのは、鏡の中から見つめてくる私。
じっと見つめ返す。
その瞬間、ぞっとした。
「………うそ」
上からの強いライトに照らされて、口の両側にうっすらと縦の線、法令線が浮かびあがっていたのだ。
慌てて顔を近づけてよく見ると、目尻にも小さな皺のようなものが見える。
化粧も浮きまくっているし。
「………やだ、もう」
いつの間に、こんなに老けていたんだろう。
そういえばつい先日、何気なく鏡を見ながら髪をといていたら、白髪がひょっこり顔を覗かせていて、慌てて抜いたこともあった。
ショックだけど、仕方ないか、とも思う。
だって、私はもう、29歳なのだ。
立派なアラサーだ。
白髪や皺の一本や二本、あっても当たり前だ。
でも、頭では分かっていても、心がついていかない。
精神的にはまだまだ二十歳そこそこくらいにしか成長できていない。
それなのに、見た目ばかり老けていく。
仕方がないことだし、誰にも訪れるものなんだろうけど。
「………でも、やっぱり、いやだ」
私が心からそう思うのには、他の人とは違う大きな事情があるのだ。