秘め恋*story9~保育園で…~
その日は思いの外、仕事が立て込んでしまって
保育園へのお向かいが遅くなってしまった。
会社を飛び出したのが8時。
「すみませーん!高間です。
遅くなってすみませんっ!」
慌てて保育園に駆け込んで、らいおん組の部屋へ入ってみると…
「あ、ママだぁー!おかえりー。」
「いっくーん、ごめんね遅くなっちゃった。」
疲れもぶっ飛ぶ可愛い笑顔で走りよってきた
いっくんを抱き締める。
すると、
「お仕事、お疲れ様です。」
「あ、いえ…お迎え遅くなってしまっ……あ!」
声を掛けられて慌てて謝ろうと顔を上げるとそこには…
「今朝の…」
「あ、はい。」
ライオンの顔のついた黄色いエプロンを着て、爽やかな笑顔で立っていたのは今朝ぶつかってしまったあのイケメンパパだった。
え?エプロン着てるってことは…
「あ、挨拶が遅れました…
今日から、らいおん組の担任になりました。
田口 蒼太(タグチ ソウタ)です!
よろしくお願いします!」
わぁー。保育園の先生だったんだ。
誰かの若いパパかと思ってた~。
なーんだ。良かった②。
ん?いいのか?
保育士さんがこんな可愛いイケメン君でいいんだろうか。
「あ、えっと…郁斗の母です。
これからよろしくお願いいたします!」
「いえ、こちらこそっ。
まだまだ未熟者ですが…」
2人でペコペコしていると、それを見ていっくんが笑った。
釣られて私と蒼太先生も笑った。
あ、やっぱ可愛いなぁ。
えくぼが可愛い。
「ママ、帰ろー。」
「うん。帰ろー。」
いっくんと手を繋いで、蒼太先生を振り返る。
「そーたせんせ、さよーなら。」
「はい。さよーなら。また明日ね!」
屈んでいっくんに手を振る蒼太先生。
子供大好きなんだなぁ…最高の笑顔。
なんて思っていると、
「高間さんも、また明日!
よく休んでくださいね!お休みなさい!」
「お休みなさい。。」
とびきりの癒し笑顔を向けられて、久々にキュンキュンとした気持ちになった。
わぁ…イケメンって癒されるんだなぁ。