秘め恋*story9~保育園で…~





「ねぇ、いっくん。」



「なぁに?」



「もうすぐ、いっくんのお誕生日だよ。
何か欲しいものある?」



「ん~」




ご飯を食べながら、もうすぐやって来るいっくんの6才の誕生日のプレゼントが何がいいか聞いてみた。



口のまわりにマヨネーズを付けながら、いっくんは小首を傾げて悩む。



いつも我慢ばっかりさせてるから、何でもいいんだよー。




「あっ……」



「ん?なになに?」




思いついた顔のいっくん。
何だろ、何だろ~。




「ん…っとね、」



「うん。」




キャー、もうそんな可愛く恥ずかしそうにしちゃって!



いっくんは、照れたような笑みで…




「ぼく、パパが欲しいなぁ…。」



「よーし、パパね!楽しみにしてて……………
ぇえっ!?ぱ、ぱ、パパ!!??」




いっくんの言葉に一瞬頭がついていかず、
その後何を言えばいいのか分からなくなって…




「ママ??」



「あ、えっと…わ、分かった。考えとくね。」



「うん!ママ、好きっ!」




とびっきりの笑顔を私に向けるいっくんに、
私は人生最大の難題を突きつけられた心持ちだった。



いっくんの誕生日プレゼント、



リクエストは、



“パパ”




どーすんの!?私。




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