初恋の人。
初恋は苺のように甘酸っぱいみたい

初恋はイチゴ味【幼少期】

どうして小さい頃男の子って好きな女の子にちょっかいを出すんだろう?



あなたのことが好きだからちょっかい出すのよとママには言われたけど、好きなら嫌がることしないでほしい――



「あ、それ私のイチゴ!」



「花音(かのん)が食べないでずっと残しているから食べてやったんだよ!」



「酷い…最後に食べようってずっと残していたのに…グスッ…」



「先生!花音ちゃんが泣いてま~す!」



今日は幼稚園で1月生まれの子の誕生日会で、みんなで一緒にショートケーキを食べていた。



大好きなイチゴ――



高いからって中々買ってくれないイチゴを食べるの楽しみにしていたのに…



「…あれ?」



涙を拭いて自分のお皿の上にあるケーキを見ると食べられたはずのイチゴが乗っかっていた。



隣に座っている翔(かける)君のケーキを見るとイチゴが無くなっていた。



「翔君…これ翔君のだよね?いいよ…翔君が食べなきゃ。」



「いいよ、別に。」



「でも翔君誕生日なのに…」



「イチゴ嫌いだから。」








“キュン…”







幼稚園児が恋に落ちるのは簡単だった。



“優しくされたから”



ただそれだけだった。



翔君がくれたイチゴは真っ赤なのにちょっと酸っぱくて



甘酸っぱいイチゴだったから



今でも甘酸っぱいイチゴを食べると翔君を思い出す。



甘いイチゴより甘酸っぱいイチゴのほうが好き――




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