私の恋した0.1秒
私にプレゼントなんて…
──なんだろう。
私はいつものように1人、外を見ながらカフェラテを飲む。
ちょうど今は夕暮れ時で夕日が街中を照らして赤く染まっていた。
「綺麗だなあ…」
思わず心の声がそのまま声に出てしまう。
それくらいここからの眺めは綺麗なんだ。
「本当に。僕もここからの眺めは最高だと思う。大好きな場所の一つ。ここで僕がアルバイトしてる理由の一つだよ」
いつの間にか戻ってきていた柳田さん。
「そうなんですね」
柳田さんの情報がまた一つ、また二つ。
彼もまた私と同じでここからの眺めが好きだということ。
それが彼がカフェ・ボヌールで働く理由だということ。
心のどこかで彼のことを、柳田さんのことをもっと知りたいと思っている私がいた。
それは柳田さんと私に共通点があったからなのか、また別なものなのか……
「僕もね、休みの時は姫ちゃんと同じ席に座ってこの夕日を眺めてるんだ。なんか幸せな気持ちになれるでしょ?」
「柳田さんも? そうですね、私も幸せな気持ちになれます」
私がそう答えるのと同時にコトンと私の前にお皿が置かれた。