私の恋した0.1秒
「素っ気ないなあ~」
なんて困った笑顔を浮かべながら言う柳田さん。
だって、本当によろしくする気ないし。
私はこのカフェラテが飲めれば十分。
柳田さんの言葉には反応せずに1口カフェラテを口に運んだ。
「きみの名前は教えてくれないの?」
僕は教えてあげたのに、なんてぼそぼそ言いながらじっと見つめれる。
「…仕事、戻った方がいいんじゃないですか?ほら、お客さんも来ましたし」
ちょうどカランコロンと音を立ててお客さんが入ってきた。
これで柳田さんからも、さっきから気になっていた周りからの視線からも逃れられると思ったのに。
「その心配ならいらないよ?今ちょうど休憩中なんだ。それにほら、違う店員さんが接客してくれてる」
ちらっと振り向いてそちらを見ると、さっきまでいなかった女性の店員さんが接客をしていた。