逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「俺に気を使って何も言わないのか?」
「……わからない」
「わからない?」
「うん」
沙耶もスプーンを置き、基を見つめ返した。
「あなたがその……私のことを、えっと……」
「好きだよ、沙耶」
「なっ……そういうの、急に言わないで、ビックリするでしょ!」
好きと言われるたびに心臓が跳ね上がる。
体に悪いことこの上ない。
だが基はああ、と納得したように目を細め微笑む。
「なんとなくわかった。沙耶は怒ってるんじゃなくて、照れ屋なんだな」
「うっ……」
(そんなことに気づいてほしくなかった……。)