逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 それから十日間。
 沙耶と基は、愛と優しさ、思いやりに満ちた時間を過ごした。


 ベタに手を繋いで鎌倉観光をしてみたり、昼まで惰眠を貪ってみたり、スーパーに手を繋いで買い物に行き、二人でランチを作ったり、基のリクエストではあるが、一緒にお風呂にも入り、彼に髪や体を洗ってもらいもした。

 いつでも見つめ合えばお互いの瞳に愛しい人が映る、そんな距離で過ごした、一時も離れない十日間だった。
 




 そして沙耶が決意をした期限の、十日目の夜……。



「沙耶、何か言いたいことがあるんじゃないか」


 ベッドに入り、長く時間をかけて愛し合った後、基はどこか切なそうに、腕の中で穏やかな表情を浮かべる沙耶に問いかけた。



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