逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

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 その日も一日忙しく、神尾の秘書として会議や説明会に参加した沙耶は、システム手帳に次の予定を書き込みながら、ハイヤーの後部座席の隣に座る神尾に問いかけた。


「そういえば今日、夜九時からお時間をあけているみたいですけど、プライベートなご予定ですか?」
「ええ……実は、ちょっとした内輪のパーティなんですけどね……」


 神尾はなんだか歯切れの悪い口調で、言葉を濁したが、隠しても仕方ないと思ったのか、はっきりと口にした。


「まぁ、友人の婚約祝いなんですよ」
「ご婚約ですか、おめでたいことですね」
「じゃあついてきてもらえます?」
「はい!?」


 なぜ自分がそこに行かねばならないのか、理由がわからず沙耶は目を丸くする。


「なぜですか?」
「実はみんな彼女や妻同伴で、私だけ一人なんです。だから行きたくなくって」
「それはちょっと……信じられません」



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