逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「どうしたの、沙耶。なんだかご機嫌斜めだね」
「あっ……すみません」
伊織が残っていたことを思い出して、赤面する。
「あの、例のエール化粧品の御曹司のことなんですけど、ちょっといろいろあって」
沙耶は迷いながらも、バッグから招待状を取り出し、伊織に差し出した。
「無視して大丈夫とは思うんですけど……なんだか遊ばれてるみたいで」
「招待状? 開けていいのかい」
「はい」
伊織はデスクの上のペン立てからペーパーナイフを取り、慣れた手つきで封筒を開け、中の招待状を開く。
「なになに……不二基誕生パーティーのお知らせ……ええええ!?」
「しゃ、社長!?」