逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「お誕生日おめでとう。それだけ言いに来ました」


(俺にこんないい女の知り合いはいない。はず、なのに、初めて会った気がしない。)


 目が離せない。
 食い入るように見つめていると、彼女は少し不思議そうに目をしばたかせた。


「もしかしてわからない?」
「……もしかして」


(おい、待て、まさか……。)

 誰にも聞かれないよう、そっと声を落として尋ねた。


「沙耶……なのか」


 すると沙耶は、困ったように苦笑した。
 その笑顔はとても可愛らしく魅力的で、基の心臓が跳ね上がる。


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