逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「まぁっ、自分の言葉にそんな価値があるなんて、ずいぶんな思い上がりねっ」
四、五人がそうやって騒ぎ始めると収拾がつかなくなる。
(あー、うるせえ……。)
沙耶のことはかなり気になったが、これ以上彼女を騒ぎの中心にはしたくなかった。
基は仕方なく彼女たちを連れて場を離れることにした。
「さあ、あちらに遊戯台を用意していますから、皆さんよかったら、」
「待って。プレゼントならあります」
「え?」
基が肩越しに振り返ると、沙耶は周囲をキョロキョロと見回して、室内管弦楽団の生演奏をしているところに歩いて行った。
(いったい何をする気なんだ……沙耶。)
もう基は、一分一秒でも沙耶から目が離せなくなっていた。