逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
夢の王子様

 週が明けての月曜日。
 基はそわそわと常務室で時計を見上げていた。

 現在午後二時五十五分である。

 一応デスクの上のパソコンの電源は入っており、目を通さなければならない資料やメールが何十通と届いている。

 だがそれらを朝からいくら眺めても、何一つ頭に入っていかないのだ。

 原因はわかっている。

 先週の金曜日の夜の誕生日パーティーから、胸の奥に火がついて消えないのだ。


 沙耶と一緒に踊った【エンターテイナー】が頭から離れない。

 彼女の弾けるような笑顔と、生きる力に満ちたキラキラと輝く瞳が忘れられない。

 何をしていても沙耶のことを考えてしまう。

 まさに寝ても覚めてもという状況で、基は頭がどうにかなりそうだった。


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