ただのジャンケンDeath(デス)
画面には 30番 乱同 真 勝利 と、提示されていた。
負けたものは名前もだされないのか。
「何で!何でだよ!!何でグー出してんだよ!!!」
奥田がわめく。
乱同は冷静に奥田にいい放つ。
「お前の演技が下手だったからだよ。
まるわかり。
バレバレなんだよ。
逆にお前はあんなんでばれてないとでも思ってたのか?」
奥田の演技は完璧だったように見えた。
ただ、乱同が完璧すぎたのだ。
「どうだった?俺の演技は。
すごかったろ!あはははははははは!
途中で笑いそうになるのこらえるの必死になったよ。
それでこらえすぎて涙がにじんできていたのをまた勝手に勘違いしてよぉ!
ありがとな!
やっぱりお前は俺の最高の“オモチャ”だよ」
ひどい。
ひどすぎる。
「あ、あと名前で呼ぶの止めろよな。
気分悪くなるから。
これからは気をつけろよ。
あ、そっか。
お前、今から死ぬんだもんな。
これからもねぇのかぁ!」
そう言って高らかに乱同は笑った。
奥田は絶望して、嫌だ。嫌だと何度も小さく呟きながら泣いている。
誰も喋らない。
今から起こることから目をそむけたい。
誰もがそう思っていた。
「………………死体はどうするんだろうな」