ただのジャンケンDeath(デス)
仲間の死
穴から音がする。
穴の中で何かが小刻みに、すごいスピードで回転しているような音。
歯医者で歯を削る時のような、そんな音が聞こえるのだ。
その音にいろいろな恐ろしい想像をしてしまう。
イスの穴から何か鋭い鋭利なものが見えた。
あれは………………針だ。
イスについた一つ一つの穴の中に針があるのだ。
それは回転しながら奥田の方へ向かっていく。
奥田は体を固定されている。
だから動けない。
相手がスイッチを押すところをよく見れないように顔の向きも変えられなくなっている。
だから奥田はその音の正体が分からない。
その音の正体は何なのか。
いつ、何が自分の身におきるのか。
それが分からないという底知れぬ恐怖を奥田はあじわっている。