ただのジャンケンDeath(デス)
決意
ゲームが終わった。
奥田の死体はどんどんと腐っていっている。
ゆっくりと。 確実に。
罰によって与えられた所々にできた傷口。
それはイスの穴にあったのと全く同じだった。
殺されてからかなりの時間がたった。
血はもう固まっていた。
奥田そのもの。奥田の全てが固まって動かなくなった。
それによって一人の人間の死というものがさらに強調された。
窓の外からボトリ、ボトリと何かが落ちる音がする。
誰もそれには目を向けず、ただ奥田に動いて欲しいと、そう願っていた。
この死体はどうしたらいいのだろうか。
ずっとこのままだったら次のジャンケンの時、面倒なことになるだろう。
そう思っていても誰もそんなことは言えない。
ただ奥田を見ているか、
泣いているか、
それとも気が狂ってしまったのかの大きく分けて3パターンの人しかいなくなっていた。
どれほど時間がたっただろうか。
乱同が立ち上がって奥田の死体のそばに座り込んだ。
そしてそのまま奥田の死体を持ち上げた。
「………………待って。……………………………待ってよ」
神田が力なき声で呼び掛ける。
「…………………………何だよ」
乱同も力なく返事を返す。
「…………それ、どうするつもり?これ以上何するっていうの?あんたっ……………………」
神田がそう言い終わる前に乱同が返す。
「うるせぇ!!黙って見てろ!!!」