ただのジャンケンDeath(デス)
神田が震える。
今の、今の乱同には何か特別なオーラのようなものを感じる。
乱同でいて、乱同でない。そんな感じだ。
乱同は教室の扉の方へ歩み寄る。
僕の方だ。
…………………………………………………………そうか。
乱同の考えていることが分かった。
と、いうよりも顔を見て本心を読み取っただけだ。
僕は乱同の行動を手伝うことにした。
乱同の方へ歩み寄る。
「乱同。手伝うよ」
乱同は少し驚き、そして頷いた。
「ああ。すまねぇな」
「いいよ。僕もそうしたいから」
僕と乱同は扉の近くのある位置に奥田を運び、そこに座らせるように置いた。
そして僕と乱同はある方向に向いて力強く中指をたてた。
「絶対生き延びてやる!
絶対生き残ってやるからそこで待ってろ!
俺がこの手でお前をぶん殴ってやる!!!」
僕達がしたこと。
それは監視カメラのある位置によく映るように奥田の死体を置き、
そのカメラの向こう側の奴にメッセージを送るというものだ。
監視カメラを見つけたのも、この計画をたてたのも全部乱同だ。
こいつは本当は良いやつで、
やるときはやり、頭の切れるやつなんだ。
そんなことが今回のジャンケンで分かった。
カメラによく死体を映させることによってお前らが殺したと、
少しでも罪悪感を抱かせるためだ。