ただのジャンケンDeath(デス)
「それでだ!勝つための作戦を俺は考えた。
お前から聞いた通りだと、周りのやつらは双方の選んだ手が分かるんだったよな?」
「うん」
実際に僕は奥田がチョキのスイッチを押したところを見た。
「もしお前か俺かのどちらかが選ばれたら、
選ばれなかった方が相手の手を見て伝えるんだよ。
どうだ?」
確かに有効な策だ。
でも二人同時に選ばれるとできないし、
なにしろ、ずるじゃないか。
それに………………………………………
「僕はその策には反対だよ。
二人同時に選ばれるとできないし、
それはずるをするってことだよ。
僕はこのゲームを考えたやつらなんかのためにそんなことはしたくない」
そんなことをしたらやつらの思うつぼだ。
そんな気がした。
乱同は少し考えてから、優しく言ってくれた。
「そうだな。
いくら命がかかっていてもそんなことしちゃダメだよな」
よかった。
乱同と仲間になれて本当によかった。
こんなゲームだ。
いくら仲間をつくっちゃいけなくても孤独という感情には打ち勝てない。
乱同がまともでよかった。
「すまないけど他にもっと良い案を考えようよ。
……………………二人で!」
「………………ああ。そうだな。
でもずっとここで話し合っても何も始まらねぇ。
何か食いに行こうぜ。
ちょうど腹も減ってきたしよ」