ただのジャンケンDeath(デス)
山中 和未
教室に戻り、僕と乱同は離れて座った。
明日になれば、またジャンケンをさせられる。
必ず一人は死んでしまう。
それからは、逃れられない。
周りの人達は絶望し、口を半開きにして、目はうつろだった。
そんな中、たった一人だけ元気な人がいた。
いや、元気ではない。
元気ではないのに、周りの人達をなんとか励まそうとしている人がいた。
山中 和未だ。
優しくて、面倒見の良い子。
髪型はショートカットで、茶色。
「大丈夫。大丈夫だから」
そう言って、おそらくご飯を食べていないであろう人達に、
食堂から、ご飯を持ってきてあげている。
「何が大丈夫よ!!こんなのいらない!!!!!」
そう言ってご飯を振り落としている人がいる。
森田 葉子。
きつい性格で、女子同士でも、近寄りにくい存在である。
ちなみに髪型はセミロング。赤色だ。
「ご、ごめんなさい。‥‥‥‥‥‥ご飯。しっかり食べてくださいね」
山中は悲しそうにして次の人を探しにいく。
やがて、8時となった。
山中は食欲がないという人も誘って、晩御飯を食べに行った。
僕と乱同もさそわれた。
僕は無言で首を横に振り、乱同はにらんで断った。
一方、森田も断ったようで、教室には3人しかいなくなった。
森田はしばらくぼーーーっとしていたが、気を落ち着かせるためか、窓を開けた。
外の新鮮な空気が入ってき、奥田の死臭も流れ去っていく。
と、思っていた。
いつまでたっても新鮮な空気など入ってこず、
かわりにまた別の嫌な空気が入ってきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突如、森田が悲鳴をあげた。