ただのジャンケンDeath(デス)
~二日目~
晩飯を食べ終わった人達が帰ってきた。
ご飯を食べるときも山中がはげましていたようで、皆、少し表情がゆるめられていた。
「じゃあ皆、今日はもう寝よっ。ゆっくり休んだほうがいいよ」
山中がそう言うと、皆は布団等を用意して、ぐっすりと眠りについた。
布団なんてどこにあったのだろうか。
山中は皆が寝たのを確認すると、乱同と森中の目の前に、皆と同じ布団を置いた。
乱同はあいかわらずにらんでいたが、森中はさっきのことですっかりおびえて、おとなしくなっていた。
山中は僕にも布団をくれた。
「これ、食堂の所にあったの。
よかったらつかって」
「あ、ありがと」
乱同とずいぶん話したから解決していたと思っていたコミュ障。
まだ治ってなかったようで、ぎこちない話し方になってしまった。
「ほんとにご飯いらないの?」
山中が聞いてくる。
僕はうなずいた。
「できれば食べてほしいんだけど‥‥‥‥ダメかな?」
いっけんこういう人を見ると、すごくいい人だと思う。
でも、僕はそんな人の心を見て、いい思いをしたことはない。
誰も、闇を抱えているものだ、
僕は山中の本心を見てみた。