一緒に帰ろ。
水田さんは初対面の私に何度も笑いかけてくれました。

水田さんは私の九つ上の29歳だということが話の中で出て、

「ハタチの子からすると俺なんてもうおやじだよな~。」

とか、

「今どきの若い子って何して遊んでるの?」

とか、発言がとにかくおじさんなんです。

きっと私が上司である自分に緊張してるんだと思ってわざと面白いことを言ってくれていたんですね。


だけど、別の意味で緊張しちゃってた私はそんなこと気付けるはずもなく。


数十分後には、緊張と車の揺れも加わって、見事にお酒がまわってしまい、家に着く手前の公園の水道の前でうずくまってました…………水田さんに背中をさすってもらいながら。
< 11 / 34 >

この作品をシェア

pagetop