続・俺と結婚しろよ!
森井さんは、確かに厳しい顔をしていた。
だけど、どこか満足そうな顔だった。
「お前らのミスは、あり得ないミスだ。
だが、世間では噂になってるな。
お前らの演奏は本物だって」
森井さん……賢ちゃんと同じことを言ってる。
昨日の賢ちゃんの言葉を思い出し、こんな時なのにドキンとする。
「信じられないことだが、仕事のオファーがたくさん来ている」
あたしたちも信じられない。
森井さん、あたしたちを嵌めるのではないかと思うほどに。
あたしたちは顔を見合わせていた。