続・俺と結婚しろよ!
あたしは再び賢ちゃんを見た。
今は少し乱れた黒髪に、少しつり上がった瞳。
人の良さそうな口角の上がった唇。
全てがFの玄と同じ。
そして、全てが愛しい。
「だから、普段はもっと大切にする。
今までより、もっと」
「何言ってるの」
賢ちゃん、すごくすごくあたしのこと大切にしてくれているじゃん。
きっと、今までにないほど、あたしばっかり見てくれている。
あたしって幸せ者だな。
賢ちゃんにこんなにも愛されて。
「咲良のファンに言ってやりたい。
咲良は俺のものだって。
お前らには渡さねぇって」
「それはあたしも同じ」
賢ちゃんが、そっとあたしの肩に触れる。
そこから、強い電流が流れた。
引き寄せられるようにあたしたちは近付き……
二度と離れないようにぎゅっとして……
優しくて甘いキスを交わす。
ただのキスなのに、満たされていく。
エネルギーが溢れてくる。
あたし、本番も頑張れそう。
賢ちゃんのおかげだよ。