続・俺と結婚しろよ!
あたしは思わず顔を上げ、緊張で涙ぐんだ目を向ける。
だって、彼がいるはずないと思ったから。
彼はあたしを気にしている余裕なんて、ないはずだから。
だけど……
「応援してるから」
賢ちゃんはあたしの近くに立っていて、笑顔であたしを見る。
そんな賢ちゃんを見て、思わず言ってしまった。
「なんでいるの?
てか、なんでそんな余裕なの?」
余裕に決まってる。
だって、賢ちゃんはFだもん。
こんな大舞台、慣れたものだもん。
だけど賢ちゃんは困った顔をして、
「やべぇよ。
俺チビりそう」
馬鹿なことを言い始める。
ここへきて、それ?
てか、かっこいい玄はどこに行ったの?