続・俺と結婚しろよ!
こんな中……
ガチャリ……
スタジオの扉が開き、いつもの厳しい顔の森井さんと……光樹が現れる。
何だか光樹を見るのが気まずくて、あたしは下を向く。
それでも光樹の視線を感じて、すごく居づらい。
そんな中、森井さんが声を上げた。
「前に話をした、お前らとコラボ予定の前川コウさんだ」
「前川です。
よろしくお願いします」
光樹の声が聞こえた。
あの頃と、ほぼ変わっていないその声。
あたしは、その声が大好きだった。
大好きすぎて、あたしの初めてをたくさんあげた。
初めての彼氏。
初キスの相手。
そして……
初めてあたしの身体をあげた。
高校生なのに、結婚してもいいとまで思った。
だけど……
あたしは、光樹を捨てたんだ。
光樹よりもsoleilを選んだ。
今はもちろん、光樹を見ても何も思わない。
あたしには賢ちゃんがいるから。
だけど、その罪悪感はずっと残っているんだ。
そんなあたしと光樹だけど……
夏フェスの時の光樹の言葉が蘇る。
光樹がsoleilに入れなかったこと、あたしが光樹を振ったこと、それをいまだに根に持っていた。
あたし、どうすればいいの?